昨今雑感

「明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」
皆様よくご存じの、親鸞が子供の頃、得度を願い出て、夜なので明日にしようと言われた時に詠んだ句と言われているものです。
 一向に止む気配のないコロナ禍にあって、妙に心に響く気がします。
都会では医療はとっくに崩壊しており、人々に今できるのはその日その日を精一杯生きることくらいではないでしょうか。
 怒りや苦しみを投げかける相手が分からず、政治的対応のまずさや自分勝手な人たちなどに矛先が向かっていますが、なぜこんなことになったのかと根本的な所を考えれば、それはつまり無知な人が森へ入ったからでしょう。
 山には人の入ってはいけない所があります。
自然と対話しながら暮らしていると山が「これ以上こっちへ来るな」という点があるのが分かります。
それに気付かない人が入るとわざわいが起こります。
これは今流行りのスピリチュアルなんとかではありません。
ヤバイ場所、それはガスだまりだったり、得体のしれない病原体だったり、我々に害を及ぼす動物だったり・・・私はそれを「悪の臭い」と呼んでいますが、それらが巣食う場所や通り道があるのです。
 
私は今回のことは、それらを”おかして”しまった結果だと思っています。
それは私ではないし、あなたでもないでしょう。
しかしそれは人類の罪、無知の罪、感覚麻痺の罪なのではないでしょうか。
人が自然から離れると、ますますこのようなことがこれからも起こり続けるでしょう。
生活は人工の中でもせめて心は自然の中で、自分たちも自然の一部ということを肝に銘じて、謙虚さ・感謝の気持ちを忘れず暮らしてゆきたいものです。
皆が怯えずに暮らせる日が戻ることを切に願うばかりです。