《ボートは後ろを向いて漕げ》

先の第2次大戦で亡くなった日本人の数をご存知だろうか。
それは1941年から1945年の4年間で約310万人と云われている。
ひとくちに310万人と云うが、それがどれほどの数か、可能なら犠牲者の名前を一人1秒で全員読み上げてみるといい。
飲まず食わず、不眠不休で一か月以上掛かる。
 
それで終わりではない。
その人が将来幸せに、公園で遊ばせたはずの子供たち、その子が大きくなって世の中を変えたかもしれない明日。
それらを未来永劫奪ったのだ。
 
この大戦、世界中で云えば6年間で6500万~8500万人が亡くなっているという。
先ほどの読み上げで2年以上掛かる。
 
数が多いから悪いと言っているのではないことは理解いただけるだろうか。
一人の死は、それが自分なら百億の死にも勝る出来事だ。
その『一人の死』という出来事が、6500万回以上無理やり起こされたということだ。
 
そういうことがずっと繰り返されて今に至る。
 
アレクサンドロス、ハンムラビ、サルゴン、ネロ、カエサルアッティラクレオパトラ始皇帝、成吉思汗、項羽、信長、スターリンヒトラーヒロヒト、東條、金日成、李承晩、ポルポト・・・・・。
 
おびただしいジェノサイド。
 
為政者は人を使って人を殺す。
 
人はそういう生き物ということだ。
それでも生き残った者は、生き続けた。
過去を忘れ続け、痛みを繰り返してきた。
 
AI、IT、自動運転、ディープラーニングと、明日を夢見るのも結構だが、明日は過去を正視する日としたい。
 
2019/8/14