《 Eyes or forehead of cat 》

猫の視力ってふだんは0.1くらいで1m先のものでもぼんやりとしか見えないんですね。
ところが動くものを感じるとそれが小動物のような動きなら、たとえ50m先のものでも素早くフォーカスできるんです。
猫の目のように目まぐるしく変わるというのは、目に入った光で素早く色が変わることから言われますが、こういった焦点的に素早い変化をするという理由も足してもいいような気がします。

人間様の世界でも、とても早く話が流れてこの間まで重要だったはずの話題がすぐにどこかへ掻き消えてしまいます。
世界の貧困はどうなったのか、グレタさんやマララさんは何をしているのか、階級や性差別は?保育園の待機児童は?北朝鮮は?シオラレオネは?・・・・・。。。。

それともうひとつ、この猫の目のように我々も実は見たいものしか見えていません。
今最もホットな『新コレ』でも例えば政権側を批判する人たちは、政府の失策をやり玉に上げることしか興味がなく、株の投機やら人のふんどしで相撲を取っている人たちは経済への影響だけを心配しています。 
自分の商売が心配な人たちは過剰反応だとの意見を流布しようとし、命を懸けて戦っている人がいることを忘れているかのような意見ばかり目立ちます。

そんなに自分の意見を広めてどうしたいのか、自分の欲を満たしてどうするのか、田んぼもないのに水を引いても泥だらけのグチャグチャになるだけと思うんですけどね。

幸い老眼で近眼で乱視で飛蚊症の私は、世間の皆さんが見ているような素晴らしい道筋があまりよく見えませんので、自分にできることを地道にやるしかありません。
なるべく身の回りの人や生物や無生物の邪魔にならないように、可能ならちょっとは役に立てて、あと少し細々と生きてゆくかなと思っています。

  猫の額のような家にて書く
           2020/02/26  19時あたり